ケアを受けると楽になるのに、十分に動けるところまでは変わらない。施術直後は動きやすかったのに、しばらくすると硬さや動きにくさが戻ってしまう。
ゼロ化整体では、その理由を考える際に、「血流を改善するだけでは残る硬さ」に注目しています。血流への働きかけで変化する硬さがあっても、それだけでは解消しない硬さが残っている場合がある、という捉え方です。
ここでいう残る硬さには、筋肉ロックや筋膜の張り付きなどが関わる硬さを想定しています。原因を筋肉ロック一つに限定せず、何が柔らかくなることを妨げているのかを確認します。
残っている硬さから、二つの経路を考える
私たちは、残っている硬さが、その後の循環や動作に影響し、再び硬さが生じたり、硬い部分が増えたりする場合があると考えています。下の図は、その見立てを二つの経路に分けたものです。

① 血管への圧迫が残り、血流不足による硬さが戻る
ゼロ化整体では、血流が関わる硬さは、血流への働きかけで柔らかくなる場合があると捉えています。ただし、筋肉ロックや筋膜の張り付きなど、血流を改善するだけでは解消しない硬さが残っている場合があります。
私たちは、その硬さによる血管への圧迫が残ることで、再び血流不足が起こり、血流不足による硬さが戻る場合があると考えています。
この場合、一時的に柔らかくなったことと、血流不足を繰り返す背景まで変わったことは、同じではありません。血流への対応を繰り返すだけでなく、循環を妨げていると見立てた硬さが、どこに、なぜ残っているのかを見直します。
② 動ける筋肉への負担が増え、新たな筋肉ロックが生じる
もう一つは、残っている硬さが動作に影響する経路です。
ゼロ化整体では、十分に動けない硬い筋肉が残ると、動ける筋肉がその分を補うことで、その筋肉への負担が増えると考えています。その負担によって新たな筋肉ロックが生じ、硬い部分が増える場合がある、という見立てです。
この経路では、残っている硬さの原因を筋肉ロックに限定しません。 何が原因の硬さであっても、十分に動けない部分が残ることで、動ける部分への負担が増えていないかを確認します。
①は「血流不足による硬さが再び生じる」、②は「補って働く筋肉への負担から、新たな筋肉ロックが生じる」という点が異なります。両方が重なる場合もあると考えています。
「どこに戻ったか」だけでなく、「何が残っていたか」を確認する
同じ場所に硬さが出ていても、前回と同じ原因・状態とは限りません。また、今つらいと感じている場所と、その負担を生んでいる場所が異なる場合もあります。
| 考える経路 | 確認する手掛かり | 対応を見直す方向 |
|---|---|---|
| 血流不足による硬さが戻る | 前回の対応で変わった硬さと残った硬さ、その後の経過。ほかの部位に、変化を妨げる問題がないか。 | 血流への対応だけでなく、残っている硬さの原因と、対応する場所・方法・順序を見直す。 |
| 動ける部分への負担からロックが増える | 十分に動けない部分と、補って働いている部分の状態。どの動作や負荷の後に変化したか。 | 新たに硬くなった場所と、負担の元になっている問題の両方を確認する。練習負荷やケアの内容も、担当スタッフと共有する。 |
| 両方が重なる | 残っていた硬さ、筋肉の状態の変化、動作、その後の練習・試合の経過。 | 一つの経路に決めつけず、反応を見ながら対応を組み立て直す。 |
触れた感触や一度の変化は、血流や負担の状態を直接測定したものではありません。硬さの質・分布、実際の動作、対応後の反応と経過を照らし合わせて、見立てを確かめます。
その後の練習や試合の負荷も、切り離さずに見る
「原因が残っていたのか」「練習の負荷が原因なのか」を、必ずどちらか一方に分けるわけではありません。残っていた硬さによって、同じ練習でも動ける部分に負担が偏る場合があると考えているからです。
一方で、施術後に新たに加わった負荷が関わる可能性も確認します。施術直後に柔らかさや動きが変わったことだけで、すべての原因が解消したとは判断しません。
- 前回の施術後:どこまで柔らかさや動きが変わり、何が残っていたか。
- 施術と施術の間:どんな練習・試合・セルフケアを行い、いつ、何が難しくなったか。
- 今回の確認:硬さの質・分布と、本人が困っている動作がどう変わったか。
- 対応と再確認:施術やセルフケアの内容、負荷についての助言を見直し、筋肉と動作がどう変化したかを確かめる。
動作の確認は、その選手の課題に合わせて行います。毎回同じ検査を一律に行うのではなく、本人が困っていた動きや、変化が出た場面を確認します。筋肉の硬さ以外の課題が関わっていないかも見直します。
見直した内容を、次の支援につなげる
これまでの選手支援では、見直しで得た情報を、施術やセルフ整体、練習負荷についての共有に反映してきました。
目指すのは、その場の硬さへの対応に加え、硬さが戻る・増える背景まで見直すことです。何が残り、その後に何が起きたのかを確かめ、対応する場所・方法・順序を組み立て直します。
関連する説明
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